米国で行われる核サミットの会場で、日米の首脳が顔を合わせることになった。米国から招待状がとどけられたので、両者の会談がにわかに浮上したようだ。まずは、目出度いことである。
最近の基地問題で両国の間にいささか溝ができかけていたためか、当初、会見の可能性はないと報道されていた。
長年にわたる緊密な日米関係とことあるごとに口にしているわりには、何と大人気ない対応をするものだ、と訝っていた。日米協調なんて、案外そんな程度のものかと多くの日本人は考えていたはずである。
その背景に、自分の主張が通らなければ会談すら拒否するという経緯が重なるので、それではあまりにも大人気ないし、米国の信頼性を損なう以外に何の得策もないのではないか、という思いが働いていたからだ。
目下の米国は、ことにブッシュ閣下のイラク戦争以来、世界の信用喪失には著しいものがある。日本人にとっても以前のような米国感はない。牛肉輸入にしても十回以上にわたって禁止されている骨髄を送ってくる。贖罪感,恥辱感というものがなくなっているように見える。。トヨタのリコール問題にしても、どうも政治的思惑が感じられてならない。
先の拙稿潮騒にも述べたが、沖縄軍事基地問題も日本人の多くが望むことを、米国は真摯に理解する必要がある。これこそが、日米の将来にわたる確固たる協調関係構築の捷径であることを銘記すべきではないであろうか。こうした対応のできる米国であってこそ、日本国民は米国に対し満腔の賛辞と信頼性を堅持することになる。これこそ極東における最大の利益を米国にもたらすものである。
米国には長期的視野にたった対日戦略の構築を願ってやまない。
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