福島第一原発の一号機、三号機の爆発事故は、原発開発に携わった東電保安院、原発開発関係識者・大学教授などの学識・技能が、はたしてどの程度のものであったのか、疑わざるを得ないことになってしまった。到底、世界一流の原子力学識者の域には達していない、と思わざるを得ない。想定外、あまりにも想定外、などの発言では済まされない、初めからきわめて危険な施設の建設を、本当に認識していたのだろうか。その能力は十分であったのだろうか。
今後の検討課題として、今回の事故の詳細かつ徹底的な原因究明はもとより、之に携わったすべての人たちの責任を明らかにする必要がありそうだ。東北三陸海岸を原発施設に選定する過程において、大地震発生の歴史をもつ地域であるという、徹底的な認識・評価が不足していたことはあきらかであろう。今後の教訓とするところはあまりにも大きい。
さらに、驚かされた事は、第二号機の対応である。海水を注入するという、原発の再使用を放擲するまでの非常手段を講ずるというのに、冷却水送水の不具合が起こっている。原因は、あるいは海水送水ポンプの燃料不足であるとか、ありえないことだが、ポンプ作業員の現場離脱が原因であるとか、いう。
枝野官房長官の最初の説明では、燃料切れで、一時送水に不具合が生じ、炉心露出があった発表されていた。そこで、すぐに素人ながら考えた。そもそも燃料切れなど起こってはならないことである。燃料不足は数時間単位で予知できる筈だ。ゆえに緊急補給手段が可能なのだ。不足に至らせることはない筈なのである。
それで、どうもおかしな発言だと思っているうちに、現場作業員が現場を離れ燃料切れとなった、という。
もう、ここに至っては、国家の緊急事態をどう考えているのか、関係者がとても正気とは思えない。がき共が、あれこれやっているような姿ではないか。情けない限りだ。
炉心融解は広範囲な放射能被爆をもたらし、甚大な国力の低下(被爆により、国民の労働能力の低下、医療介護のため莫大な国家エネルギーの損失、国土の使用制限)が将来されるのである。
こんなことでは、世界のもの笑いになることは必定だ。原発輸出も信用できない国から買う国はいないだろう。日本の恥だ。関係者一同には極めて重大な責任を感じてもらわなければなるまい。