現在、国民は、いままでより多少なりとも、民意に近づいた政治が行われている、と感じているのではないでしょうか。なぜならば、従来、国民とはなれたところで、お偉い先生方がこれまたお偉い官僚達とともに、国民不在の政治が長い間行われ、こうした政治のありかたに国民はモウ飽き飽きしていたからです。
ところで、国会の質疑応答を視聴していると、野党のみなさんが民主政権をいろいろ批判されているが、その発言には一向に心に響くものがありません。 何故だろうか。 ついこの間までの体質が、そのまま残っているような面々の口から出る発言に、説得されてよいのだろうか、という疑念が残ってしまうからです。
公約違反を鋭く追及する若手の自民代議士の身内に、 「公約のこの程度の違約がどうだというのですか」 と開き直った御仁がおりました。公約違反を鳴らして「首相をやめなさい」というのが現在の野党のみなさんの狙いでしょうが、論戦から透けて見えてくるのは、一日も早い野党からの脱出を、という焦りだけのようです。いやしくも今まで長い間政権を担ってきた野党(自由党)のみなさんなのですから、従来の野党(民主党など)の悪い轍を踏まず、政策を前面に出した正論をもって、大向こうを唸らせるような、風格ある論戦をみせてほしいと思っております。
だが、湘南の暴れん坊や、showy坊やの代議士では、ないものねだりということになるのでしょうか。
そもそも、国民視線を重視すれば、政策の決定に時間がかかるのは当然です。また、行政府に入ってはじめて知るという事案、案件もありましょう。優柔不断とか公約違反をもって、政権転覆の矛先にしているようでは仕方がありません。
さて本論に入りますが、このままでは自民党は数年以内に自壊するような気がします。同時に民主党も、小沢さんの動向しだいで、三月あたりに危機を迎えることになるでしょう。
民主党の運命は今や小沢氏の動向如何にかかわっているといえます。つまり、彼がその生殺与奪の権を握っているということです。予算を通すために証人喚問に応じれば、それはまた新たな疑念を際立たせることになりましょう。野党の狙うところです。そうかといって断れば、国会審議は停滞、菅内閣は霧散。
さて、ここからが問題です。どちらに推移しても、最早、小沢氏には退路はないということです。
1.出席拒否・・・ 予算不成立、菅内閣崩壊(解散、可能性は少ないが総辞職も)。後継者で一応まとまったとしても、民主党の弱体化は免れず、時間差の問題にすぎない。
こうして民主党を壊滅させた罪科は、小沢氏の将来の政治活動の大きな障害となり、いままでのような政治活動の継続はきわめて難しい。
2.出席受託・・・ 新しい疑惑が深まることはあっても、疑惑を払拭する可能性はほとんどゼロ。検察審議会・国民の心象のさらなる悪化のみ。
小沢氏の政治家としてのたち位置はますます不利になる。日本国民の民度は今までと違います。金にまつわる政治家は、まず存在しえなくなりましょう。本物嗜好が定着しつつあります。私利私欲の影を許しません。かつての誰かさんのように、幹事長室から一切の政務を指揮、支配するような、あたかも北朝鮮もどきの政治権力を最も嫌います。
結局、小沢氏の政治家としての命運は、このあたりで、というのが流れでしょう。万物にはすべて浮沈というものがあります。どんな強運の人でも避けて通れない翳りというものがあるのです。
そこで、民主党政権の創立者の一人としての「公」をとって、いささかなりとも名誉を残すか、民主党を破壊する自己保身の「私」に徹するか、二者選択しかないことは、明晰なご本人が一番分かっていらっしゃるのではないでしょうか。もし、本当に武士道を心得る真の日本人であるとすれば、おのずから取るべき道は明らかでしょう。
混沌・汚泥のような現状の政治をいち早く払拭し、日本人の、日本人による、日本人のための、そして国民目線に立った確固不動の安定政権を確立し、世界に冠たる資質をもつ日本人の矜持を、あますことなく世界に発信しうる国家となることを切に願うものであります。
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