愛子さんの不登校
皇太子家にまたまた衆目の集まることがおこった。皇太子の娘愛子さんの不登校である。
宮内庁皇太子太夫は、愛子さんが通学する学習院でのいじめが原因という。学習院側は、いじめはなかったという。いずれが正しいかわからない。が、身近にあって訓育の任にある大夫が、このような些事を公にせざるをえなかったということ自体、国民は皇太子家の家庭になにがしかの問題があるのでは、と思ってしまう。
いじめは今や日本中の小学校、中学校、高等学校で、日常茶飯事にみられることだ。学校でのいじめを経験していない人はすくないだろう。かりに、いじめと感じられることが愛子さんに起こったとしても、いろいろの社会の様相を学ぶための学校であり、生活の場なのである。
はたして、このクラスには愛子さん以外にも、不登校になる生徒が多いのだろうか。大抵の学校にはこれに類したことは山とある。それぞれの生徒たちはこうしたことを体験しながら、当たり前の社会人として成長してゆく。
学習院といえども、当然のことながら、ことさら異なる学制をとっているわけではあるまい。一方、皇室も諸外国の王室同様、民衆に親しまれる存在を目指しているはずだ。であれば、皇太子太夫の重要な職責は、愛子さんが他の生徒たちと仲良く通学し、尊敬されるような女性となるよう努めることであろう。
ところが、皇太子大夫のテレビ発表を聞くと、過去に記憶された嫌なことを想起されての不登校、と説明されている。
過去の経験が通常の常識範囲から、どれほど乖離したものであったのか、つまり、社会通念上異常な出来事であったのか、それとも社会通念上許される範囲の出来事であったのかによって、精神病理学上では病的か正常かの判断基準とされることがある。男子生徒が靴脱ぎ場に出てきて、それが過去のいやな経験を想起させた、とも発言されている。いやな経験が当たり前の程度のものであったのか、そうでなかったのかが問題なのである。学習院側の説明では、どうも常識程度の子供の騒ぎであったと思われる。
巷間、いろいろな噂が一人歩きしている。内部の秘匿体質が原因でなければよいが、今回の皇太子大夫の発言も、何か奥歯に物が挟まったように聞こえる。国民に対する説明が十分になされていない。爽やかな皇室のイメージずくりも、責務の一つであることを忘れて欲しくない。
だが、皇太子大夫の「私の立場も忖度していただきたい」というほどの意味の最後の言葉が、なぜか胸にずしりと残る。
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