国会質問の与謝野馨氏、
今生の別れかと紛う鋭鋒!
目下の国会は政治家の資金問題に最大の焦点がおかれている。国民の大多数も,政治家の最低条件として、品性廉直、清廉潔白、公正無私をあげる。予算委員会のテレビ画像では、連日のように、首相、幹事長、関連人物の責任が、野党各派の集中攻撃を受けている。清潔を旗印に躍進してきた民主党の旗印が、なんとも無残な姿をさらす事態になっている。小沢氏の異常な資金蓄財は、国民の目には悪としかみえない。
だが、見ているうちに何か妙な感じになってくる。違和感といったらよいのか、そんな予算委員会をいつまでもやっていてよいのか、といった拒否感にもつながってしまう。
小沢氏はいまこそ民主党員だが、本質はかつての自民党の体質にどっぷりと漬かった政治家である。つまり、基本的には現在の野党諸君と同類なのだ。与党となった小沢氏だから攻撃するのだろうが、私の目には、錚々たる野党自民党の質問者の面々が、おのれを恥じることなく、自虐的な言動を弄している姿に、何かおかしく、悲しい気持ちにすらなる。あなた方は本当に清潔な政治家だったの、と思う。二階、尾身、森、町村、古賀氏などのような、清廉潔白な政治家もいたかもしれないが。
ところで最近、予算委員会での与謝野氏の発言は衝撃的なもので、その人柄からはほど遠い姿であった。茫漠とした伝聞にもとづく発言は、到底、いままでの与謝野氏から想像できないものであった。もしかしたら、今生の別れの言葉ではないか、と聞いてしまった。これが、まさに今日の自民党の姿なのであろう。
国民は長い間、陰湿に潜在していた自民党の悪に、心底辟易していたことを忘れてはならない。現在の野党自民党が、いくら与党攻撃に悪をならしても、その悪のもとをただせば、なんだ、やはり自民党の体質と同じだ、と国民に二度とあってほしくない悪夢を思い出させるだけの効果しかない。だから、小沢反対が70%も越えているのに、内閣に激震が起きないのは、こうしたことが根底にあるからだ。たとえ、民主党の支持率が下がっても、自民党の支持率が飛躍的にあがることは今後もあるまい。一方の民主党も今の体たらくでは、ただ消去法的力学に浮かされているだけだ。
自民党をここまで貶めてきた責任のきわめて大きいことを、真に自覚する自民党政治家がいるとすれば、前記の清廉な政治家諸君はもとより、旧老の方々はすべて党を去り、アメリカ一辺倒の屈辱的思考の持ち主でない、21世紀にふさわしい新国際感覚の政治家、そして国民目線の国政をもって第一とするような清新政治家に、すべてを委ねるという決断ができるはずである。何故できないのか不思議である。
いずれ遅かれ早かれ、古い方々は政界から淘汰される運命にあるのだから、ここは一番、大政治家としての器量を見せる人が、一人ぐらい出てもらいたいものである。
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